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250年前の水路を歩く

世界一ヘタレな切り込み隊長

さて、このあたりで先頭を変わってほしいという申し出があったので、じゃ僕が行きます!と名乗り出て切り込み隊長の役をこなすことに。



フラッシュ焚き忘れてわけわからん写真撮ってしまうヘナチョコ切り込み隊長だったけどな。(心霊写真ではありません、念のため)

で、また、このまるこめという切り込み隊長は本当にヘタレな切り込み隊長で、頭を擦る度に
「いたっ!」
と叫んだり、天井からぽたぽた落ちてくる水にいちいち反応したりとビビりまくり。

探検終了後に「まるこめさん、うるさかったよ〜」と軽く叱られてしまいました。
ほんと、怖かったんです。絶対一人では行けないですよこんなとこ。携帯も圏外だし。



なおもじわじわ迫ってくる頭上。



そして苦悶の表情の切り込み隊長。

人よりワーワーギャーギャー騒ぎつつ、足もとにも細心の注意を払って進んでいきます。

そういえばこの状況、なんか覚えあるなーと思ってたんですが、水曜どうでしょうの「マレーシアジャングル探検」の企画であることに気づきました。
企画の最後に洞窟探検と言うアトラクションがあって、かの大泉洋氏が無数のコウモリにおびえたり、
「ホワイトスネイク、カモン!」
という名言が飛び出したりと盛りだくさんの洞窟探検。

なんだか今の状況が、その企画とオーバーラップしてきました。



たしかに、「デブでヒゲ生えてちゃだめなのかよ!」と藤村Dが言いそうな画ではある。


脱出直前、事件は起きた

250年前の水道を探検し始めて15分、ここで大きな変化が出てきました。



これは多分江戸時代にはなかったと思う。



相変わらず足もとにはくるぶしがつかるくらいの水が。

突然目の前に姿を現したのは、頭上を覆うフィルターのようなもの。
このあたりで落石でもあったのでしょうか。
明らかに江戸時代のものとは思えないので、後から設置されたことは間違いないです。

強力な助っ人に頭上を守られながら先を進むと、前のほうにかすかな光が!!



外に通じるかすかな光が!うおおおおー!!



この写真を撮った直後、後ろで大事件が発生する

外の光が見えてテンションが上がる一同。
出口に近付くにつれてひんやりした空気が薄れ、梅雨独特のもわ〜っとした蒸し暑さが襲ってきました。

と、その時、後ろから「きゃああああああ」という絶叫が。

なんだなんだ?と後ろを振り返ると、どうやら横からコウモリが襲ってきたとのこと。
確かに真横から来るとはあの時誰も思っていませんでした・・・。

というか、直前に僕はその場所を素通りしていたので、自分の鈍感さにもびっくりしました。


水道を抜けた先は・・・?

そして、ついに250年前の水道の終点に到達。
入ってから出るまで、約220mを20分かけてやってきましたが、作るのに5年もかかったことを思うと全然ちっぽけなものです。

外に出る瞬間は湿気がものすごく、かけていた眼鏡がたちまち曇りました。




脱出してすぐの一枚。メガネの他、カメラもものすごく曇った。

脱出した先は江戸時代・・・ではなく、夕方の梅雨曇りの空が広がる琵琶湖でした。
濁った水路では、おっちゃんが釣り糸を垂れ流しながらこちらを怪訝そうな顔でじっと見つめていました。
確かにいきなりヘルメットかぶった長袖の軍団が来たら怪しく思うでしょうな。



まだカメラが曇ってますが、こんな風景と出会えます。



奥に見えるは竹生島。


水道の中は圏外だったので、ここで全員Twitterタイムに突入。
さっきまで繋がらなかった鬱憤を晴らすように怒涛のツイート祭りを済ませ、琵琶湖の風景を眺めながら戻ることにしました。

帰りは、現在は遊歩道として整備されている1950年につくられた2代目の水道を通ります。



2代目はまっすぐに続く一本のトンネルです。

この遊歩道のほうは携帯もつながるし、一直線に山を貫いているので、5分ほどで元の場所に戻ってくることができました。
断面はきれいだし、頭をゴツン!と打つこともないし、遊歩道として整備されているので水も流れていない。
100年の時間を経て、トンネルを掘る技術が格段と進歩したんだなあ、と実感しました。


これだけ体験できて無料なのが素晴らしい!

僕は無料で観光できるスポットが大好きなのですが、ここは今までいった中で一番いい場所でした。
こんな歴史的価値が高い放水路が無料で見学できるなんて、今でも信じられなかったりします。
どっかで入場料500円くらいとられるんじゃないか、と内心思ってました。

これからの季節、「涼」を求めるにはぴったりな場所だと思います。
ぜひ、琵琶湖の水泳場へ泳ぎに行ったついでに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
もちろん、装備はきちんと、ね!

西野水道
アクセス:北陸自動車道木ノ本ICより車で約10分




西野水道の歌もあって、いかに地元の住民が大切にしている放水路かがよくわかる。ちなみに西野水道祭りもあるとか。




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Last update:2010/6/24